【広域避難者支援基盤強化プロジェクト―被災者一人ひとりに向けた災害ケースマネジメントの実践】

 災害時の広域避難をご存知ですか?

 日本は世界でも類を見ない災害が頻発する立地にあります。近年の気候変動による気象災害は甚大化しており、急速な都市化と河川流域の開発、超高齢者社会等から、災害による被害が構造的に拡大する懸念は、ますます高くなる一方です。 大規模災害時には、多くの人々が住民票のない地域へ避難する「広域避難」の発生が予想されます。しかし、避難者を把握するシステムが一律ではない、避難先によって支援格差が生じる、十分な住民サービスが受けられない等、さまざまな課題が浮き彫りとなってきました。適切な支援が届かないことによる生活再建の大幅な遅れは、その後の暮らしや人生に大きな影響を及ぼし、アイデンティティや関係性の喪失、避難先コミュニティでの孤立、生活再建の難しさ等、取り巻く課題が多岐にわたっていきます。 こうした状況を踏まえ、広域避難者支援や災害弱者支援を、民間も含めた多様なセクターが連携し支援に取り組むことができる基盤づくりが求められています。中国地方で、災害ケースマネジメントを具体的に実施できる支援体制づくりと、民間組織も十分に対応できる被災者支援ソーシャルワークのスキルアップ、そして多様な支援組織と連携できるコーディネート力の育成を目指す、プロジェクトを実施します。

 2024年春、大規模災害を踏まえ、「広域避難者支援基盤強化プロジェクト−被災者一人ひとりに向けた災害ケースマネジメントの実践」をはじめます。

 本プロジェクトは2023年度中国5県休眠預金等活用コンソーシアムによる「中国5県における発災時の相互支援体制構築に向けた地域の支援団体育成·強化事業」の実行団体として助成を受け実施しています。

 本プロジェクトでは、広域避難者支援や災害弱者支援をめぐる課題に対して、大規模災害時における広域避難者支援の体制構築、誰一人取り残さない平時も含め互いに助け合う災害文化の醸成、広域避難者支援コーディネートを目的として、2024年度より、主に中国地方の被災者支援団体、行政等を対象とした研修、ワークショップ等を行う予定です。

詳細に関しては随時ホームページにて更新いたします。